●ケガニ (毛蟹)
形態

甲羅はやや縦に長い円みを帯びた四角形で体を覆う殻はあまり硬くはない。体色は黒みかかった赤橙色である。額の中央部はV字型に切れ込みがあり、その左右にそれぞれ2棘が並んでおり、その両側から側縁に向かって、三角形で先端の尖った5棘が鋸状に並んでいる。左右の鋏脚は歩脚よりさらに短く、甲や各脚の表面には、尖った顆粒と短毛が密生されている。太さは棘も歩脚と同じくらいである。雄と雌の見分け方は、雄は腹部の幅が狭く、雌は腹部の幅が広い。

生態


甲羅の長さはと幅は10cmを超え、水深30m〜150mの浅い海の砂泥底に生息しており、水深30〜60mの砂泥底に多い。生息水温は、1〜15℃前後であり、適水温は、4℃〜10℃。夏から冬にかけて交尾をする。産卵は交尾の約1年後の秋から翌年の春に行われ、北海道は10月〜11月である。卵は直径0.8mm〜0.9mmで黄橙色である。産卵数は甲羅の長さが60mm前後の雌で4万〜6万粒である。産卵から孵化するまでの期間は1年から1年半と長い。孵化したばかりの幼生は全長2mm〜3mmでゾエア幼生といい、5回目の脱皮をすると全長7〜8mmほどのメガロパ幼生となる。メガロパ幼生は6〜7月頃に脱皮をし甲羅長さが5mm前後の稚ガニとなり浮遊生活から底生生活に移行する。稚ガニは沿岸の水深20〜50mの砂泥底に多い。生後2年間は1年間の間に3〜6回ほど脱皮をしその後雄は4歳になるまでは1年に1回5歳を超えると、2年〜3年に1回脱皮をする。しかし、雌は3歳以降になると2〜3年間隔で脱皮を行い雄よりも成長が悪くなっていく。食性は肉食性で多毛類や貝類や他の甲殻類を食べる。

漁法 籠漁で漁獲される。